モコちゃん、里親さん決定

 長い間アニマルクラブの事務所に居たモコですが、昨年秋事務所が閉鎖して、犬と猫のすべてが代表の阿部の自宅に移った際、 モコは廊下につながれて置かれるようになりました。
甘えん坊のモコは誰かが自分の前を通りすぎる度に、 「かまって、かまって!」と吠え、他の犬や猫が世話を受けていると、「私も、私も…」と吠え、「うるさいよ」と怒られてばかりでした。
 「こんな大勢でなければ、とても利口で可愛い犬なのに…」と切なさを募らせていたところ、良縁が舞い込みました。
 「うちの犬も一匹亡くなり、もう一匹も老犬でこの先長くはないの。年を取っていく私達夫婦でも扱える、 あまり大きくない犬なら引き受けられるよ」と言ってくださったのは、十年来のつき合いのある阿部洋子さん。
不遇な扱いを受けている他の飼い犬のために奔走したり、先日も車で小一時間の山に捨てられた犬の話を聞き、 ご主人と何度も通って保護して、ワクチンや不妊手術もしてくれて、アニマルクラブを通じて里親さんに渡したところでした。
なりよりご主人が停年を迎え、おうちに居るから、モコが寂しくありません。
 「その家なら、モコを必ず幸せにしてくれるから」と仲良しの春ちゃんを説得しました。置いてきた当日こそはヒーヒー鳴いていたようですが、 半月ほどして春ちゃんと訪ねたときには、すっかり洋子さん宅の子になっていて、「よく来たね―」って感じで余裕で私達を迎えてくれました。
春ちゃんも安心して、「またイベントの時には一緒に募金集めしようよ」となでなでをいっぱいしながら、話しかけていました。
 長い道のりかかったけれど、「きっとある、幸せになれる家」―― モコに続いて、 1匹1匹に幸せへの橋渡しができるように、私達は気を抜かず、心を込めて里親探しをしていこうと、また心を新たにしました。