「お母さん大好き!ドライブも一緒だよ・・・」

 買い物に行ったホームセンター近くに秋田犬の親子がいたのを見た時は、近所の犬か買い物に来た人の犬だと思ったそうです。 しかし、近所の人に尋ねると、捨て犬で、誰かが保健所へ電話した、というのです。そして、本当に保健所の車がやってきました。 子犬の1匹はその時に逃げてしまいました。あとの4匹は次々と捕獲されていきます。そんな光景を目前にしたら、あなたならどうしますか?

 その姉妹は自分たちに引き取らせて欲しい、と申しでました。しかし、職員から「いったん捕獲した犬は、 法的公示期間の3日以上を過ぎてからでないと払い下げはできない。ほんとに飼えるのか、考えてみなさい」と言われたそうです。

 アニマルクラブに相談の電話がかかってきました。そして、彼女たちは奔走して親の知人の土地を借り、 アニマルクラブで費用を負担して、大工さんに柵で囲んだ大型犬舎を建ててもらいました。

 そうやって、助け出すことができた4つの命。4匹でいた時は一番人なつっこくて、捕獲員にも真っ先に捕まえられたムサシでしたが、 高松家に行ってからはクンクン鳴き続け、最初の数日は玄関に入れ、 その隣に高松さんの中学生の息子さんが布団を敷いて寝てくれたそうです。

 今は高松さんの奥さんをお母さんだと思っているみたいで、仕事から帰ってくる車の音を聞いただけで、 喜んで大騒ぎする甘えん坊。お母さんの実家が東京なので、休日にはムサシもついて行きます。 初めは車酔いしていたけれど、東京までのドライブも平気になりました。