不要犬猫レポート

SPAN CLASS=”TEXT_MESSAGE”>消された命からのメッセージ



台風(たいふう)
(ちか)づく
(あさ)、ぼくらは
一番(いちばん)行きたくない
場所(ばしょ)に向かっていた。

本当(ほんとう)は一番見たくないことを見るために。

ハイウエイに
(の)り、
(まち)
(こ)え、
(まち)
(ぬ)け、
人里離(ひとざとはな)れた山の中に、犬と猫の
(し)
場所(ばしょ)があった。

あちらこちらの町からワゴン車で
(い)らない犬と猫が
(はこ)ばれてくる。車から
(ひ)きずり出されて、オリの中に
(ほう)
(こ)まれた犬たちはおびえ、いらだち、
最後(さいご)
(なげ)きと
哀願(あいがん)を続ける。オリのすみにうづくまり、ガタガタと
(ふる)
(つづ)ける子犬もいた。

言葉(ことば)
(はな)せないから
都合(つごう)のいい
(い)
(わけ)をして、
人間(にんげん)はじゃまになった
動物(どうぶつ)を見えないところへ
(つ)れて行く。